☆安倍晴明 天の川に行きて雨を祈ること
①宝篋山のふもと、天徳寺(若狭瓜割名水公園)★
上の方に龍神が飛来した岩窟がある。
「泰澄大師が霊地を求めども水情のないのを嘆いていたところ、南方の古木の間より頭に白蛇を頂いた龍馬が飛来した。我ハ八大龍王ナリ 北天竺ノ水ヲココニ移シテ永クコノ泉二留マリ天下泰平五穀豊穣ヲ祈ルナリ モシ旱天二憂イアルコトアラバコノ泉ニテ雨ヲ祈ルベシ マタ甘水ヲ手二スクイ福徳円満ヲ祈ルベシと彼方の岩窟に入るや、四方に神光を放ち大地鳴動し、岩破れて神水湧き出した」
②鵜の瀬 (若狭) ★
博雅「この鵜の瀬というのはどういうところなのだ?晴明」晴明「毎年卯の月に奈良の東大寺の二月堂でな、修二会という十一面悔過の行を行っていてな。行の半ばに二月堂の本尊、十一面観音に新しい浄化の水、霊水を捧げる。「お水取り」というのだが、その霊水はここから送られるのさ」晴明「修二会をはじめたのは実忠和尚という渡来の印度僧でな。その節、諸国の神々を勧請したのだが若狭の遠敷明神は漁に時を忘れて遅参した。修二会の火と水の浄化の行の内容に喜んだ明神は遅参の詫びに、十一面観音に閼伽水を送る約束をされたのよ。その時、地中から白と黒の鵜が飛び出し、その穴から霊泉が湧き出したのさ」晴明「それは若狭井と呼ばれている。その若狭井の水源がここ鵜の瀬の水中洞穴なのさ」
ここが鵜の瀬の入口。
車は少し内陸方面に通り過ぎたところのに駐車スペースがあります。
鳥居をくぐって階段を下ります。
鳥居の脇に祠があるので、まずこちらにお参りをしました。
この水の中に水中洞穴があるようです。よく見ると水が湧き出しています。
晴明「洞穴の上の巨大な磐座、白石。この上に若狭彦神が、次いで若狭姫神が降臨したと伝えられている。二神は遠敷明神としてこの遠敷川の下流に若狭の国の一の宮として祭られている。実忠和尚はその神宮寺に一時身をおいていたのだよ…」
木々に埋もれてわかりにくいですが、対岸に小さな祠があります。
漫画では安倍晴明がひょいと川を越えて飛び移り、供物をささげていますが、現実には行くのは難しそうでした。。。
水中洞穴付近から内陸方向を見る。
あのあずまやのあたりに給水ポイントがあります。
車で近くまで行けます。
給水所の方にある神社
博雅「凄いな…この下に…ここと東大寺をつなぐ地下の水の道があるのか?」
晴明「その先までもだよ。吉野もさ」
晴明「ここから送られた水は東大寺の若狭井に着くまで約1年かかると言われているがな。お水送りの十日後にはお水取りが行われる。白と黒の二羽の鵜にちなんで二筋あるという若狭井からその流れは空におよぶ」
晴明「修二会の間、東大寺でお水取りをした夜吉野では必ず大地をゆるがす雷とともに激しい雪や雨が降るのだよ。つながっているのだ。ここから南へ一直線に…」
博雅「吉野までつながっているのか⁉ 本当か?凄いな」
晴明「もっと先、玉置までさ」晴明「玉置は修験の霊峰の一つなのだよ。吉野の金峯山から熊野へゆく奥駆けの道の途中にある。なぜ玉置といわれるかは諸説あるが、宝珠にかかわる地ゆえの名であろう。なぜならあの地はとても微細な波動の地でな。おれの持っていた水晶が水飴のように柔らかくなってしまったからさ。魂の緒も振るわれ常には非ざる状態になる。そのような聖地だから古くから国常立神等を祭る玉置神社があるが、その神域に一本の大樹に四季を凝縮したような神木もある」
晴明「もっと興味深いのは、地中に深く埋まった巨大な磐座の先端だけがのぞいている玉石という摂社があってな。大己貴神を祭り、大神神社の神紋と同じ三本の杉の大樹に守られている。ここは白石という露出した磐座があり、白玉椿の林に囲まれている。このそばに古くから玉置とよばれている郷もある」晴明「そしてな、鵜の瀬と熊野の玉置を結ぶ一直線をちょうど二分する真ん中に東大寺があるのさ。若狭から再生の象徴である春が南下するのだ」博雅「そ…その一直線と、雨乞いとは関係があるのか?」博雅「そ…それはどういうことだ?」晴明「どこも水に関わる神なのさ」
⑤丹生川上神社中社 (奈良) ★
左から三尾川、右から木津川、向かいに見える橋の奥から日裏川。
晴明「日裏川の橋の奥に東の滝という滝がある。瀬を渡るが気をつけろよ」晴明「滝の上は日裏谷と呼ばれている。上にゆくぞ」
博雅「おお、本当に滝の真上なのか。コワイな、水がどんどん落ちてゆく」
晴明はここは吹くべきところだと言って、博雅に笛を吹かせる。
⑥宮滝 (奈良)
晴明「若狭も水の国だが、吉野も別の意味で水の国なのだ。それゆえ金峯山(かねのみたけ)と呼ばれる。金は水を生じる」
地に流れる水も多いが天より降る水の量もどこよりも多い
だから尾根の上でさえ水の底を思わせる奇岩が並ぶ
吉野から山上ヶ岳までの山全体が龍体なのだ
山上ヶ岳の蔵王堂の人の立ち入ることを許されない須弥壇の地下に、地底深くに向かって空いた洞穴、龍の口がある
吉野山は龍の尾
そして二人は象谷(さきだに)を登り、水分りの峰に出る。
⑦吉野水分神社
博雅「最後の瓜を奉納するのは、この吉野なのか?」
晴明「いや、まだだよ博雅。吉野の龍の尾を踏んで勝手の宮からさらに奥へ、南へ下るのだ。龍の口は山上ヶ岳にあるのだが、実は南の日裏にも龍の口がある。その地を流れる川は金峯山系を水の源としていてな。天の川と呼ばれているのだよ、博雅。そこが最終地だ」
⑧天河 (高倉山) ★
博雅「おお、ひしゃくの口から雲がのびて北辰を喰らおうとしている。う…瓜の数と北斗の星の数が同じだが、もしや晴明?」晴明「人の魂は光を放っていて、辿った跡が軌跡のように残るという話をしたな。これは陰陽道で言う反閇だ。若狭から斗機をひっくり返した形に辿って来たのだ」晴明「実際に出向いて行って場を踏むということは大事なことなんだぜ、博雅。伊勢の地に辿り着くまで生涯を反閇に捧げて、ウェッブ状の結界を歩いて編み上げた倭姫しかり。国覓(くにまぎ)の旅などと言われているが、とんでもない」
博雅「ここは?」
晴明「高倉山。琵琶山の真南にあって対となっている」
晴明「琵琶山の龍の口を地中…、壺の中の玉とするなら、こちらは山頂の磐座が地上の玉」
ここで瓜割の滝から憑いてきた晴明の頭にいた蛇が高倉山に移る。
高倉山は日本列島が出来た二億五千年前に最初に隆起した神聖な山として、国之常立神が祀られています。
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