- 第一次世界大戦後
- ナチスが掲げる反ユダヤ主義について
- ドイツとオカルト
- ナチスの主要人物
- ナチスのオカルト派と反オカルト派
- ナチスは軍略もオカルトで
- ヒムラーという人
- ナチスとUFO
- マリア・オルシックについて
- 第二次世界大戦末期 (1944年~)
- ヒトラーの最期
ナチス と オカルト との関係は、アドルフ・ヒトラー が政権を取る そのずっと以前から始まっていた。
1917年、ヒトラーが第一次大戦に従軍中の時から、その兆しを見せていた。
ヒトラーは塹壕の中で 北欧神話 に登場する戦争の神 オーディン や トール と言った神々に捧げる詩を書いていた。
そして神々から啓示を受けた自分は、選ばれた人間である と思っていた。
大戦中に目を負傷した彼は、神秘体験とともに視力を回復させる。
第一次世界大戦後
1920年代、第一次世界大戦後のドイツでは、国民のだれもが自尊心を失いかけていた。
戦勝国は 絶対に支払い不可能な額の賠償金をドイツに求めた。
会議に出席した有識者が そんなに追い詰めるのはやめた方がいいと進言したにもかかわらず。
そしてドイツ経済はいちじるしく困窮し、破綻寸前となる。
国民全体が疲弊し、国中が荒んだ空気に包まれていた。
そうした社会の混乱や不安が、オカルティズムが入り込む隙間を作った。
当時のドイツでは、多くの人々が どうしようもない生活になんとか救いを見出そうと、二つの活動にのめりこんでいた。 政治集会とオカルトだ。
ナチスが掲げる反ユダヤ主義について
誰もがお金も食べ物もない中で、どう生きればいいのか、その答えや救いを政治とオカルトに求めた。
そして、ナチスが掲げる「ゲルマン民族の優位性」という主張は、人々にその答えをもたらした。
そもそも、「反ユダヤ」という考えはヨーロッパにずっと昔々からデフォルトで存在していた。 キリスト教は根本的に反ユダヤである。
それから ロスチャイルド家 などのユダヤ系富裕層に対する反発と嫌悪感。 ユダヤ人は高利貸しの嫌な奴らであるというイメージ。
貧しい暮らしを強いられたことにより「反資本主義」的な考えが生まれ、その憎き資本主義経済を牛耳る「国際金融ユダヤ人」たちを敵とみなした。
もともと みんなが潜在的に持っていた反ユダヤの感情。
困窮した社会の中、辛い現実を すべて彼らのせいなのだと責任を なすりつけるように、ストレスのはけ口として利用し、ヒトラーはドイツ国民の感情の代弁者となった。
当初のナチ党は労働者の党で、富裕層(=ユダヤ人)は敵であり、ナチスは貧しい人々の正義の味方であった。
ちなみに、第二次世界大戦時のドイツのことを一般に「ナチスドイツ」と言うが、当時のドイツ軍が全員ナチスな訳ではない。 戦争をしたドイツ軍将校でもナチス党員ではない人もいる。
首相であるヒトラーの下に、ヒトラーが党首であるナチス党と、ドイツ軍部がある。
日本の自衛隊と自民党が完全にイコールではないのと同じこと。
SS、ゲシュタポなどはナチスに属する。
しかしナチ党の主張はゲルマン優位主義なので、基本的にナチ党の全員が反ユダヤ主義であることは間違いない。
ドイツとオカルト
第一次世界大戦後のドイツでは、オカルトがとても流行していた。
人々は死者の霊を呼び出す 降霊会 などの オカルト活動を盛んに行っていた。
また占星術が非常に流行り、諸外国に比べ、占いに関する新聞記事の数も突出していた。
知的階級がサロンを開くなど、オカルトがらみの活動は広く普及されていった
こぞって降霊会を行った
巷に占い師があふれた。
その一人が占星術や手品で人気を博したのが 稀代の預言者、エリック・ヤン・ハヌッセン。
交霊会でのハヌッセン(中央の人物、1928年頃)
彼は富裕層向けに降霊会や個別鑑定を行っており、彼の顧客にはナチ党の幹部が多数いた。
やがて彼はヒトラーの演説の指南役となる。
そして1933年のヒトラー首相就任の年に謎の死を遂げる。
ナチスの主要人物
ヒトラーのお抱え占星術師である ハヌッセン が死んだ後も、幹部は占星術を信じている。
ハインリヒ・ヒムラー や ルドルフ・ヘス は 占星術を信じていたが、ヨーゼフ・ゲッベルス は オカルトや占星術には懐疑的だった。
ナチス党員の全員がオカルティストではなく、むしろ嫌がっていた人もいた。
ナチスのオカルト派と反オカルト派
オカルト派
ヒトラー
ハインリヒ・ヒムラー
ルドルフ・ヘス (ルドルフ・ヴァルター・リヒャルト・ヘス)
ローゼンベルク
オカルト反対派
ゲッベルス
ゲーリング
アルベルト・シュペーア
マルティン・ボルマン
ヒトラーはオカルト主義だが、彼は占星術は信じなかった。
何故なら自分は 神の代理人であり、その言葉は絶対なので、占星術は彼にとって邪魔なものであった。
1938年、ドイツはオーストリアに侵攻し、併合する。
それにより偉大な力を持つとされる神聖な遺物がヒトラーの手に落ちた。
ホーフブルク宮殿のロンギヌスの槍だ。
キリストを刺したとされる聖なる槍で、手にしたものは全能の力を得ると伝えられている
ナチスは軍略もオカルトで
ヒトラーは『宇宙氷説』を唱えた、オーストリアの技術者ハンス・ヘルビガー の理論を信じていた。
その理論によると、巨大な氷が太陽に衝突し、それがノアの大洪水の引き金になった。
かつて地球は3つの月を周回しており、その引力によって巨人族が生まれた。
ある時、巨大な氷が宙に浮いているという夢を見たヘルビガーは、それがかつての宇宙の姿だと考えた。
彼はそのカリスマ性で学術界の権威となり、ナチスの中でも重んじられた。
1941年6月 ナチスドイツは ソ連へ侵攻。
ソ連の冬の厳しさを各司令官は心配していたが、作戦の開始時期はヒトラーが信じていた『宇宙氷説』に基づいて決定された。
ナチスの気象部隊は『宇宙氷説』に基づき、稀に見る暖冬になると予測していたが、大ハズレし、多数の被害を出した。
ナチスでは海軍においても敵艦の位置を探し出すのに地図上で ダウジング を用いていた。
ダウジング部隊 なるものも組織されていた。
ヒムラーという人
ナチスでも指折りの オカルティスト であり、秘密の城 (ヴェヴェルスブルク城) で、日夜 怪しげな儀式に興じていた。
ホロコーストに多大な関与をしていた人物。
特長は以下。
・慈善家で、若い頃は貧しい人の手助けなどをしていた
・農業国家を理想としていた
・環境と動物の保護に熱心
・収容所の様を見て、吐いてしまうらしい
・強烈な選民思想の持主
・人々は洗脳されていて、覚醒させなければと思っている
・選ばれたゲルマン人のみで構成される特権階級的組織である SS を作り、名誉バッチの授与などで特権意識をあおった。
ヒムラーが傾倒していたカール・マリア・ヴィリグート。
自称、古代アーリア人王家 の血を引く、由緒正しき イルミン教 の後継者。
彼によれば聖書はもともとドイツ語で書かれており、ゲルマン民族の歴史は紀元前22万年前 にさかのぼり、そのころ空には3つの太陽があり、地球には巨人と小人が住んでいたそう。古代アーリア人は1万年以上生きていたという。
特別なパワーが宿ると信じられたルーン文字と、髑髏が刻まれた 名誉リング をデザインした。
ナチスとUFO
ケルトの古代遺跡 などがあるという黒い森と呼ばれる聖なるエリア、シュヴァルツヴァルツ地方 に墜落したという UFOをナチスがいち早く回収し、ヒムラーが自分の秘密の城へ運び込み研究した。
(ちなみにヒトラーは、自然こそが神であるという自然崇拝主義であった)
ヒムラーが組織していたナチス上層部の党員のみが加入できるブリル協会 と アーネンエルベ という秘密結社は、第三帝国が標榜するゲルマン民族至上主義、それに繫がる古代アーリア人種のルーツを探るため、アフリカおよび中央アジアのウズベキスタンからインドのヒマラヤ山脈付近まで遠征し、古代文明の遺跡と秘密の知識 を追っていた。
そしてナチスの研究チームは インド北部一帯を遠征中に、ヒマラヤの古代図書館 の遺跡から大量の絵画と書物を発見し、そこには 浮遊する乗り物を思わせる物体 が描かれた古代インド人が残した”神々の戦争”にまつわる絵画や、技術説明書と思しき絵図面等があった。
反重力 の存在を匂わせる記述と知識が そこには記されていた。
その後、SSの研究チームは古代インドの秘密書物と絵画を含む古代超文明の数々の手がかりを本国のドイツに持ち帰り、第三帝国の中の最重要機密と歴史的発見と位置づけ、現在のアメリカ軍で実施されているような書物の研究解明作業と物体に対してのリバースエンジニアリング(ナチス・ドイツ独自の逆行分析)を行い、それを元に開発されたのが反重力方式で浮遊し、ビーフェルド・ブラウン効果 で推進飛行が可能な新機軸の飛行機械「RFZ」であり、後に兵器として改良が進められてアダムスキー型のUFOを連想させる円盤型航空機「ハウニブ」や「Vril」が改良を施されながら より実用的な形で開発され、その過程で重力制御がもたらす時空変異現象研究のための技術試験機としてベル型の浮遊装置「Die Glocke」が生み出されたという。
(ハンス・カムラー wikipediaより)
マリア・オルシックについて
ヒトラーの側近だったとされる ヴリル協会の女霊媒師、マリア・オルシック 。
1922年、マリアは数人の女友達と共に『アルドイチェ・ゲゼルシャフト・フュア・メタフィジック(Alldeutsche Gesellschaft für Metaphysik)/意味:全ドイツ形而上学協会(通称:ヴリル協会)』というサークルを結成。
地球から約67光年離れたアルデバラン星系の惑星『Sumi-Er(スミ・エァ)』の住人と交信した。
アルデバラン星人は、自分たちがシュメール人 とドイツ人の両方の祖先に当たると告げ、さらに
●故郷から追放されたアルデバラン星人が地球に降下し、約500万年前に古代メソポタミア文明を築いた。
●いにしえの世界を滅亡させた大洪水を生き延びた者たちは、アーリア人の祖先だった。
――とも語った。
彼女のチャネリングの力によりナチスはUFOを完成させた。
(引用元:ヴリルの巫女――マリア・オルシックの神話 - akkadian-assyrian ページ!)
しかし、現在ドイツのウィキペディアにおいても、ヴリル協会という秘密結社が存在したという歴史的証拠はどこにもない、とある。 (→Vril-Gesellschaft – Wikipedia )
第二次世界大戦末期 (1944年~)
・ソ連との敗戦後からヒトラーは表に出なくなってこもりがちになる。
・ゲーリングは自分の趣味(美術品の収集)に夢中になる
・ヒムラーはオカルトにますます夢中になる
・ゲッベルスはヒトラーの代わりに孤軍奮闘する
・ボルマンがヒトラーの独占秘書でやりたい放題に
・ユダヤ人がユダヤ人という理由だけで殺されるようになったのは終戦前の最後の2年くらい
ヒトラーの最期
ヒトラーが自殺した日、4月30日は「ヴァルプルギスの夜」という日である。
ヴァルプルギスの夜はキリスト教以前のゲルマンやケルトの民間信仰や伝統的な春祭りと結びついている。
ドイツではブロッケン山に魔女が集う日でもあり、北欧神話では、主神オーディンがルーン文字を生み出すために世界樹ユグドラシルの樹に逆さ吊りになり、自らを槍で刺して死と再生をしたのがこの日とされているため、ヒトラーが死と再生の最後の秘術を行ったという説もある。
戦後に行われたナチスの戦犯を裁くニュルンベルク裁判にて、オカルトに関する発言や証言は一切禁止するという指示があった。
そのため、現在においてもナチスとオカルトに関する公式な記録は極端に少なく、真相は闇に包まれている。
参考および引用元サイト
●ナチスとトゥーレ協会の関係—ナチスはどこから何をパクったのか[2]-(松沢呉一) | 松沢呉一のビバノン・ライフ
●ヴリルの巫女――マリア・オルシックの神話 - akkadian-assyrian ページ!
●ヒトラーが大衆を洗脳した巧妙なイメージ戦略とは「ノストラダムス・エフェクト ~予言と黙示録~」Ep6 後編 - YouTube
●ナチスに残る都市伝説の真相「ヒムラーのオカルト古城」 - FC2動画
●【ゆっくり解説】カール・マリア・ヴィリグート、ナチスとオカルト。 - YouTube
●ナチス オカルト思想の帝国:死を招く神秘主義 - YouTube
●Adolf Hitler: El dictador que provocó la Segunda Guerra Mundial - YouTube
※人物の画像はすべてwikipediaより引用※
アドルフ・ヒトラー
Bundesarchiv, Bild 146-1990-048-29A / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5783006による
ハインリヒ・ヒムラー
Bundesarchiv, Bild 183-S72707 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5369449による
マルティン・ボルマン
Bundesarchiv, Bild 183-S72707 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5369449による
ヨーゼフ・ゲッベルス
Bundesarchiv, Bild 183-1989-0821-502 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5347414による
アルフレート・ローゼンベルク
Bundesarchiv, Bild 183-1985-0723-500 / Bauer, Friedrich Franz / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5344939による
ルドルフ・ヘス
Bundesarchiv, Bild 183-1987-0313-507 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5423766による
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