多声音楽の起源をさぐる 番外編3【グルジア男声合唱 】

 
キリスト教聖歌の影響を受けないでヨーロッパ  (の端っこ)  に存在する 唯一かもしれない多声音楽「グルジア男声合唱」について、忘備録として書いておこうと思う。
 

グルジアの位置

ジョージア(

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/georgia/index.html)

 

 
ちなみにグルジアとは旧称であって、現在はジョージアと呼ばれるが、グルジア聖歌とのからみもあるので、当ブログでは「グルジア」「ジョージア」両方の呼び名を適宜使用することとする。
 
 

 

多声聖歌であるが、西欧音楽の影響を受けて多声聖歌を形成したロシア正教会ウクライナ正教会や、バルカン半島の諸正教会ブルガリア正教会、セルビア正教会、ルーマニア正教会)等と違い、西欧からの影響とは関係無くポリフォニーを形成し、独自の歴史と発展を経て今日に至っている。
グルジア聖歌も含め、グルジア多声音楽はユネスコ無形文化遺産にも登録されている。(wikipedia より)

 

 

実は、ジョージアの多声音楽(ポリフォニー)は、元々はコーカサスの山岳音楽として受け継がれたものである。

 

コーカサス口承文芸は2500−3000年前には生活に定着していたと言われており、ギリシアの歴史家ストラボン は紀元前 1 世紀にジョージア人の戦士が多声音楽の聖歌を歌ったことを記している。
 
ここでストラボンが記したジョージア人というのは、スヴァネティ地方 に住む スヴァン人であるらしい。
 
スヴァネティ地方のグルジ合唱は、現在も独自かつ古い形を残しているそうだ。
 
 
スヴァネティ地方について詳しいサイト
 
 
 
 

The first recordings in the Georgian Republic Khasanbegura 1907

(グリア県マフヴァネティ合唱団、ギゴ・エルコマイシュヴィリ指揮。ハサンベグラ録音 1907年 )

 

Drinking Horns & Gramophones

 

 

この動画は、アメリカのTraditional Crossroadsから出ている

グルジア共和国での最初の録音  1902-1914 Drinking Horns & Gramophones

に収録されているSP音源より、「ハッサンベグラ」という曲。

 

ちなみにこの曲は聖歌ではなく(おそらく)民謡で、グルジアに対する犯罪のために斬首された裏切り者、ハサンベグ・タブドギリジェ の歴史的バラードと一般的に関連づけられ、グリア州で最も人気のある曲の1つである。

歌っているのはグリア地方の マフヴァネティ (Makvaneti) 合唱団 で、現代のグルジア合唱の最高峰と言われているルスタヴィ合唱団 のリーダーのアンゾール・エルコマイシヴィリ氏の祖父に当たるジゴ・エルコマイシヴィリ氏が率いていたグループ。


ヨーデルのような独特の裏声パートは「クリマンチュリ」と言うそうだ。

 

ZeAmi ブログ さんによると、ロシアの大作曲家・ストラヴィンスキーはこの曲を聴いて「人類の作った最高の音楽」と称賛したそうである。

 

 

youtube で 「 Drinking Horns & Gramophones 」と検索すると、こちらの音源が出てくる。
前述の音源と同じ曲を聴き比べると、微妙に違う…?
詳細は不明だが、こちらの動画はアルバムにある他の曲も多数聴けるようである。

 

 

 

 
グルジア男声合唱の最高峰と言われる ルスタヴィ合唱団 の映像
 
 
 
同じく
 
 
 
 
ヴァシアニアンサンブルによる、美しすぎる宗教歌
 
 
 
Georgian Folk Song Orovela by Hamlet Gonashvili
 
 
ハムレット・ゴナシヴィリ(Hamlet Gonashvili)という往年の名歌手について少し調べてみました。1928年生まれで1985年没、グルジア東部のカヘチア地方などの最も優れた歌い手と賞賛されながら、リンゴの木から落下する事故が原因で、まだ50代の若さで亡くなったそうです。グルジアの作曲家ギヤ・カンチェリ(Giya Kancheli)の第3交響曲は、彼の歌声からインスピレーションを受けて作曲され、初録音のソリストとして登場しています。しばしば "the voice of Georgia"と称され、ルスタヴィ・アンサンブルとの共演もあったようです。ZeAmi ブログ様より)

 

 

 

4世紀のキリスト教導入以前からのグルジア最古の歌 とされる 太陽賛歌リーレ
 
不協和音バシバシで聴きにくいのが、いかにもキリスト教以前の古代の歌という感じである。
 
 
 
Georgian Voices の1時間半にもおよぶドキュメンタリー映像。
(まだ全部見れてません…)
 
 

ジョージア男声合唱

 

ZeAmi ブログ様では Georgian Voices として紹介されているのだが、メンバー名などを照合して確認してみたところ、どうも私が持っているこの 「The Voices of Georgia 」と同一グループのようだ。
 
このCDは現在入手不可能なようで、Amazon ですごい値段 になっててビックリした。
 
CDのライナーノーツには、
「この "The voices of Georgia" は1986年に創立、最初は "Choir of journalists" という名前で活動していた。というのもメンバーの大半が georgian television のスタッフだったから」 
というような事が書かれている。
 
ZeAmi ブログ様ではこのグループは、あのルスタヴィをもしのぐほどの現代のグルジア合唱のスーパーグループのように思える、とまでの高評価をされております。 (* ZeAmi ブログ「Georgian Voices」の記事はこちら >> )
 
 

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こちら、今治市にある音楽ショップの『世界の民族音楽の店 ZeAmi』様のブログは、世界各国の素晴らしい音楽を紹介しておられる素晴らしいブログで、グルジア音楽についてもたくさんの記事を読むことができます。

その中でも特に個人的におススメの記事を 自分の忘備録も兼ねて、こちらにリンクを貼らせていただきます。

ほんとに素晴らしいので ぜひぜひ!

 

アブハジアからグルジアへ

ハッサンベグラ (ルスタヴィ)

グルジアの東部と北西部の歌

Georgie - Chants de travail / Chants religieux

 

たくさん参考にさせていただきました。誠にありがとうございました!
 
そして、お読みいただいた方に、心より感謝いたします。
ありがとうございました!
 
 

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