8世紀~10世紀ごろにかけてグレゴリオ聖歌が成立したが、これは単旋律(モノフォニー) であった。
その後、多声音楽がどのように発展していったかは 過去記事 ↓ でも書いたが、
おおまかに記すとだいたい以下のような流れである。
多声音楽は、9世紀にスイスで始まったと言われ、オルガヌムというジャンルとして12世紀以降、ゴシック期のフランスを中心に発展する。
サンマルシャル楽派、続いてノートルダム楽派を含むアルス・アンティクア(13世紀フランスの多声音楽)、
アルス・ノーヴァ(14世紀フランス音楽)、
トレチェント音楽(14世紀イタリア音楽)、
アルス・スブティリオル(14世紀末の極度に複雑な音楽)
などの様式が挙げられる。
中世西洋音楽の多声音楽を調べていく中で、個人的に気に入ったものを忘備録としてアップする。
※年代順です。
12世紀頃
●ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
↑ 典礼劇「Ordo Virtutum」 のスコア付き動画です。美しい。
●レオニヌス(レオナン Léonin) 【ノートルダム楽派、ゴシック音楽】
レオナン(またはラテン語でレオニヌス)は、ポリフォニックなオルガヌムの作者として、歴史上最初に名を残した人物。
12世紀にパリのノートルダム大聖堂で活躍した。
アンサンブル・オルガヌムによるクリスマスのミサ曲。
個人的にめちゃ好きです。
すこしクセのある歌い方がたまりません。
12世紀末~13世紀
●ペロティヌス(ペロタン Pérotin)【ノートルダム楽派、ゴシック音楽】
14世紀
●ギヨーム・ド・マショー(Guillaume de Machaut)
<ノートルダム・ミサ>
こちらもアンサンブル・オルガヌムによる演奏。
このメインボーカルの人の歌がもう、好きで好きでたまらん。
(リーダーのマルセル・ペレス氏 なのかなあ?)
こちらは同曲のアンサンブル・・ジル・バンショワによる録音。
中世古楽で同じ曲を聴き比べができるのは非常に稀なことだそう。
14世紀末
●アルス・スブティリオル(14世紀末の極度に複雑な音楽)
こういうの大好き。
スティーヴ・ライヒが好きな人は好きだろうと思う。
好き…。ずっと聴いてられる。
以上。
ポリフォニーの発展期の音楽を見てみました。
中世の音楽は、もちろん西洋音楽(広義のクラシック音楽)の一部ではありますが、
実は、まだまだ ヨーロッパ各地域の民族音楽としての側面がとても強い です。
従って、中世の音楽は、クラシック音楽の延長として演奏してしまうと、
わけがわからず、また退屈きわまりないものになってしまい、
逆に、中世音楽専門グループの演奏によって初めて、その真価を発揮する、
と、いうことになります。
(♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~様より引用)
実は、まだまだ ヨーロッパ各地域の民族音楽としての側面がとても強い です。
従って、中世の音楽は、クラシック音楽の延長として演奏してしまうと、
わけがわからず、また退屈きわまりないものになってしまい、
逆に、中世音楽専門グループの演奏によって初めて、その真価を発揮する、
と、いうことになります。
(♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~様より引用)
声楽も、今のような歌い方(オペラ調?)のような歌い方が確立されたのは本当に最近だそうで、1000年も前の歌い方は今とは全然違って、きっともっと民謡のような土着の匂いのする歌い方だったのだろうと推測する。
少しコブシが入ってたりして、東洋の匂いがして、多分当時はこんな感じだったのだろうと思うし、そのような深い洞察力に心底感嘆する。
アンサンブル・オルガヌム HP
●日本語???: https://www-organum--cirma-fr.translate.goog/?_x_tr_sch=http&_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc
セクエンツィア HP
参考にさせていただいたブログ
誠にありがとうございました!